Art & Education
works
展示作品 目録
金行 省哉 「すすんで」「とまって」「とまって2」
「消えて」「ずっと一緒」/ クリップスタジオ 210 × 297 mm
早瀨 星優 「掬われる」「掬う」「たゆたう」/ 紙に水彩、210 × 297 mm
鷲尾 幸輝 「あなたのもとへ飛んで行きたい【2020】」 / 映像 3分15秒
金行 省哉
早瀬から批評・感想
金行君の作品は、日本特有ともいえるコミックアートの文化、表現に
非常に突出していて、見ていて実にそれらへの愛着を感じる。
「死」が恐ろしいものでなくるとどうなるか、と言う設定と
そうして作られた作品世界にいる彼らが実に哀しげであるように感じる。
早瀨 星優
鷲尾から批評・感想
早瀬星優さんは、日本人としてのアイデンティティを
強く抱いていることが感じられる。彼は作品に日本画の表現を取り入れながらも、
近代絵画にみられる空間を演出している。お祭りを舞台に描かれたであろう今回の連作では、
鮮やかな色彩をもった金魚が画面の中に大きくあり、夏の思い出を描いたものに感じる。
しかし、金魚とは対照的にモノクロームで描かれた人物の表情があまり楽しそうには
見えないことから、文化や慣習に捉われていることを皮肉として描いているようにも感じられた。
鷲尾 幸輝
人は不安や孤独を感じたとき何かに頼ろうとする。
それは、家族や恋人、友人かもしれない。
あるいは、ペットやぬいぐるみかもしれない。
彼らに寄り添い、安心を得ることで自身を守っている。
しかし、彼らも不安定な存在に変わりなく、いつまでも側にいてくれるとは限らない。
頼られる側が人の場合、ゴールまでの距離や時間が確認できないものに、
いつまでも寄り添うことは困難である。また、他者への愛情は
ときに依存や支配という関係を生む。たとえば、子供は親に依存せざるを得ない。
それは同時に親という存在を支配しているとも言えるのではないだろうか。
人は何かに頼り、頼られることで健全な人間関係を作っている。
しかし、その関係は不安定なもので、期待を含めた信じる力で成り立っているのではないだろうか。
金行から批評・感想
鷲尾さんの作品は孤独な少年の悲痛な叫びというか、
声としては小さいけど叫んでいるように聴こえる内容には見惚れてしまった。
あの動画の主人公は母を追いかけている画なのだろう。
速度が丁度良く速く、ひたすらに母親を探しているように見える。